きもちいい……?
このまま、今日もこうしていたい。
でも……、起きないと……、魔王と今日こそは戦わないと……
目的を果たすため、僕はうつ伏せから仰向けになった。
「チャラ……、今日こそは行かないと……」
膝枕の上で、カーテンから漏れる朝日に白い頬を辉かせる美少女と目をあわせた。
透き通った水色の瞳が、僕の心を捕らえてくる。
その瞳より、少しだけ薄青いセミロングの髪の毛が、俯く彼女の目元に影を落とした。
影によって见え隠れするチャラの瞳は、ときおり不穏な笑みを浮かべるように见え、それを感じるたびに、チャラに教え込まれた快感が身体にフラッシュバックしそうになった。
「チャ……、チャラ……」
チャラが、僕のおでこに人差し指で軽く指してきた。
「魔王様に挑みたいなら……、チャラを倒してからって约束したよね。
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今日こそ胜てるかな? 今日こそ、遅刻しないで闘技场に行けそうかな?」
「う……、うう……」
ベッドから出なければ……。
でも、……、このふとももから……、逃げられ……、うう……?
魔王城内の最深部にある高级宿屋「ディレンバー」。
疲れていたから负けた、という勇者からの言い訳が多すぎてウンザリした魔王が自费で造ったとされ、お金さえ払えば谁でも気軽に利用できるという、人気の宿屋だ。
僕がこの宿屋に到着したのは三日前。
本当は一日だけ宿泊して、明朝早くに出発し、魔王に挑むつもりだった。
それなのに、僕は二日も延泊している。
原因は考えるまでもない。
いま、ベッドで目が覚めたばかりの僕に、太ももの心地よさを教え込ませて堕落させていく悪い梦魔、チャラのせいだった。
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「チャラ……、お腹が空いたから……」
目覚めたばかりの微睡みの三十分を、チャラの膝枕でゆったりと过ごした。
どうにもこうにも、ならない空白の时间。
厚いカーテンで遮られた东の窓から、いよいよ阳射しが入り込んできた。
魔王に挑みたいなら、当日の八时までに申请しなければならない。
「チャラ……、起きたいんだけど……」
「魔王様に、挑まないって约束できる?」
チャラの细い指先が、僕の颚を触れてくる。
透き通った水色の瞳と目が合うと、チャラは子猫を爱でるように微笑んだ。
「もう少しだけ……、ね。あと少しこうしていれば、今日も间に合わないから」
「ううっ……、そんな……」
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