胜ったも同然のように笑うチャラの手を强く握って、僕は言った。
「秘策があるから。絶対に今日は胜てるから」
「あはっ? それじゃあ、もし胜つことができたら、约束してあげる?
魔王様のところにチャラが责任持って连れて行って、最后まで见届けてあげる?」
目が眩むほどの紫色の光が魔方阵から放たれ始める。
転移先は、お花畑。
お花畑で育った、ドライアドの亜种「クーリャフ」の微睡みの梦魔、チャラ。
魔王城で呼ばれている别名は、昼休みからのチャラ。
チャラに好かれてしまったら最后、朝はほとんど何もできない。
そして、チャラを好きになってしまったらもはや、お昼まで何もできない。
赤?青?黄色。
乱雑に咲き夸る花々は、まるで広大な敷地に絵の具をぶちまけたように远くまで咲き狂い、远くを见渡せば、花畑は青空と一本の线で交わっていた。
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ちょうど気温が上がりきった、昼过ぎの柔らかい阳射しに目が眩みながら、姿を消したチャラを探し始める。
「いた」
遮るものがないゆえに、チャラの后ろ姿はすぐに见つかった。
素敌な青空を背景に、美を切り抜いたようなシルエットの后ろ姿。
细身な身体にワンピースが良く似合う。スカートの裾をふわりとさせて振り返ると、僕と目が合った瞬间、安心したように微笑んだ。
「それじゃあ、この前の続きを始めようね」
チャラとの胜负は、鬼ごっこ。
チャラを捕まえて、「いっしょにかえろ」と言えば、胜ち。
ただし、その前に眠ってしまったら、负け。
始めて出会った三日前、追いかけっこの末、捕まえることはできたものの、キーワードを言う前に僕は、チャラのキスによって口を塞がれ、押し倒され、抱きつかれて肌を寄せ合って二人でお花畑に寝そべって、チャラの水色の瞳を见つめているうちに眠くなって、啄むようなキスを何度もされているうちに、眠ってしまった。
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チャラは僕が眠る寸前に、ゆっくりと起き上がって僕の枕元に寄り添い、僕の头をちょこんと上げて、柔らかいお膝もとにのせて、僕のことを嬉しそうに见つめてきた。
ウトウトしながら、霞む先に见えたチャラの笑顔は、垂れた前髪が阳射しの影となって、少しだけもの寂しそうで。
あのとき、本当はキーワードを言えたのだけど。
その日は、もう言えなくていいや、と僕は负けてしまった。
「ねえねえ。追ってこないの?」
振り返ったばかりのチャラが言った。
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