日文89(2)


「凌ちゃんが佐仓井さんの気を引いて、その间に私が荷物を夺うから」
「わかった」
爱菜の言叶に颔き、ぐっと腹に力を込める。
「行くぞ」
「うん、気を付けて」
爱菜の言叶を背に受けながら、俺は茂みを飞び出した。
「―――っ!」
その音に、佐仓井さんがびくっと肩を竦めながらこちらを振り返る。
「きゃっ!」
俺と、俺の背后から飞び出して川岸の荷物へと向かう爱菜の姿を见て、佐仓井さんは咄嗟に胸と股间を抑えてその场にしゃがみこむ。
本当なら、真っ先に荷物へと駆け戻るべきだったろう。
だが、训练を受けた訳でもない普通の女子に、そんな判断は难しい。
目に入ったのが、男の俺であれば犹更だ。
クラスメイトに………いや、佐仓井さんに恐怖感を抱かせるような行动をしている事にチクリと胸が痛む。 nvwang.icu
俺は右手に支给武器である短刀、左手に爱菜の支给武器である手锭を持って、ゆっくりと佐仓井さんの方へと歩み寄る。
「お愿いっ、こ、杀さないでっ!!」
佐仓井さんは恐怖に引き挛った眼差しを俺に向け、河底に座り込んだまま后退する。
こんな状况なのに、その白い柔肌や起伏に富んだ素晴らしい肢体に思わず生唾を饮み込んでしまう。
きっと、今の自分の目はぎらぎらと光っているのだろう。
「杀さない。杀さないから。食料を分けて欲しいだけなんだ」
そう言いながら、舐めるようにその肢体を见てしまう。
それはもう、抗いようのない男の本能だ。
「凌ちゃん、早く手锭を!」
川岸から爱菜が金切り声を上げる。
その声に、はっ、と我に返った。
今は、こんな事をしている场合ではない。
「お愿いだから、じっとしてて………」 nwxs10.cc
俺が持っている短刀に恐怖の视线を向けつつ、佐仓井さんは小さく颔いてくれた。
内心でホッと安堵の息を吐きながら、佐仓井さんの后ろに回り、后ろ手に手锭をかける。
「立てる?」
「な、なんとか……でも……その………」
俺の问いに颔きつつも、佐仓井さんは立ち上がろうとしない。
その頬が红潮しているのを见て、俺も体温が上昇するのを感じた。
「そ、そうだよね……え、ええーと、ま、爱菜。た、タオルとかないか?」
「なんで?」
「だって、その………隠さないと可爱そうだろ」
俺の言叶に、爱菜がわかりやすく顔を颦める。
舌打ちぐらい打っているかもしれない。
「そんな优しくしてあげる必要なんてないでしょ。佐仓井さんはもう二人も杀してるんだよ?」
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